草原と山

 

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前回のあらすじ。

 

野生のペンギンが微妙だったらしく

急遽超大型滑り台へ。

 

いかんなく発揮された息子の運転テクニックにより

僕は中指を黒くデカデカと腫らして負傷してしまうし

嫁・子供は全身から血を流す始末。

 

しかし、 まだまだ旅は始まったばかり。

 

本日は一体どんな仕打ちをされるのやら・・・。

 

 頂上が平らな山へ

 

今日はいつも以上に嫁が気合を入れて 顔を塗りたくっている。

 

こんな時は何か恐ろしい事が起きる前兆としか思えないが・・・。

 

そんなこんなで長い化粧タイムを終え

いつも通りタクシーに乗せられ山を登りまくる事20分。

 

もしやここは・・・

 

「テーブルマウンテン」

 

 

さすがに僕でも名前ぐらいは知って有名な場所。

 

・・・って言っても観光地の整備された山道を登るぐらいやろ?

 

こちとら1ヶ月以上、

名もなき荒れ狂った急斜の山を登りまくっとるで?

 

 

こんな整備された山なんて 朝飯前過ぎワロタレベルですよ。

 フィンランドでの惨劇再び・・!?

 

そんな余裕をぶっこきまくっていると

遠くの方から

 

 

「Ha——i!!」

 

 

こちらに手を振ってくる謎の男女と2人の子供。

 

・・・ん?

我々の後ろには誰もいないはずなんだが・・・。

 

なぜか突然フィンランドで

知らない人の家に泊まらされた時の事がフラッシュバック。

 

 

・・・ま・・・まさか。

 

もうあの時の惨劇は繰り返したくない。

 

そんな悪い予感が交錯する中

 

 

「あれ・・・?ぁ、〇〇さんじゃんっ!」

 

 

そう。

 

3年ぐらい前に通っていたタイの幼稚園で

お互いの家を行き来するぐらいに仲良くなったご一家でございました\(^o^)/

 

あぁ、なるほど、

そりゃ嫁も気合入れて化粧するよなと。

 漫画みたいな濃ゆいご夫婦登場

 

このご夫婦、

実は超ハイパーエリート夫婦。

 

奥さんはインドと日本のハーフで170cmのスラッと長身美女、

ハーバード卒でお父さんがくっそ金持ち(2m級)

という何とも漫画に出てきそうな設定の持ち主。

 

とにかく見た目とは裏腹に

超サッパリした奥さんで口癖は

 

 

「どーにかなるっしょ、がっはっはっは!」

「まぁ適当適当、がっはっはっは!」

「ルールは破る為にあるんやで、がっはっは!」

 

 

さながらワンピースの黒ひげのようなド派手な存在。(良い意味で)

 

旦那さんは

ドイツ人で190cmの高身長且つ国連で働いている

FF12のバッシュそっくりな超エリート。

 

・・・なんだけど、

子供同士で遊ばせていた時に

トランポリンで他の子供がぶつかってきそうになっただけで

 

 

「あぶねーだろうが!!!!

てめぇらマジでぶち○してやんぞ!!!!

こっちきやがれっ!!!F◯UK!!」

 

 

なんて他所の3歳時ぐらいの子供にガチギレしだして、

 

 

「気分がわりぃ!俺はもう帰るっ!」

 

 

なんて言って激怒しながら帰った道が、

 

 

”この先行き止まり”

 

 

バツが悪そうに戻ってきたのを今でも覚えております(笑)

 

そんなことら家とは違い

キャラの濃ゆいご夫婦なんですが何故かウマが合い、

更には息子同士で非常に仲が良かったんですよ。

 

2,3歳ぐらいの子供って

そんなに深く仲良くなるものではないらしいのですが、

なぜかこの2人は出会った当初から意気投合。

 

だからお互いタイを離れる時はに

いつかまた会いたいね~なんて話していたのですが

まさか暗黒大陸にて2年ぶりの再開になるとは。

 

これも全てを破壊する者こと嫁のコーディネート力なのか・・・?

いやぁ、ある意味凄ぇな。

 人間よりも獣の方が多い国、ナミビア

 

テーブルマウンテンのケーブルカーが 強風で止まってしまった為、

別の丘?植物園?に移動。

 

 

おされなカフェがポツンとあったので

そこでお互いの近況報告を話す事に。

 

このご夫妻、

ちょっと前まではブータン、今はナミビアに住んで

国連の環境に携わる仕事をしているそうな。

 

ちなみに

ナミビアはアフリカ南西部にある国で 人よりも動物が多く

テレビも映らないし娯楽もほとんどない、

最近ようやくADSL並のネット環境が整ったぐらいなんだとか。

 

しかし。

 

それでも左を向けば山、右を向けば森、

前を向けば砂漠、後ろを向けば獣、上を見上げれば満天の星空。

 

こういった環境に身を置き、

大自然の中で生きる事が非常に楽しいとの事。

 

そんなナミビア愛をキラキラとした目で語ってくれるのですが

僕は心中穏やかではありませんでした。

 

 

「その辺にしてくれぇぇっぇぇええええ・・・・

次の目的地になっちゃうでしょうがぁぁあああ・・・!」

 

 

10000歩譲って ワールドミステリーツアーならまだしも、

移住なんて話になってしまったらもう。

 

さすがにナミビア移住は正気の沙汰じゃねぇ。

 

今回はアトラクションもなしで

ゆっくり休めるなと思いきやのまさかの精神面へのボディブロー。

 

そんな胃がキリキリ痛む思いで聞いていたのですが、

ちらっと横を見ると全てを破壊する者こと嫁の目からも

 

 

キラキラ光るお星さまが☆

 

 

あぁ・・・うん、 これはもう駄目かもしれない。

 

南無。

 旅先に知合いがいるのなら・・・

 

そうそう。

 

ある程度大きくなったら別なんですが

小さな子供2人抱えて長期旅行するって結構大変なんですよ。

 

ウチの子達は常日頃から訓練しているので

タクシーや飛行機で泣き喚いたり、夜泣き、人見知りなど一切ないので

旅先でも結構楽な方だったりするのですが

 

 

「モーニングルーティーン」

 

 

これがマジでキツイ。

 

朝は7時に娘の鳴き声で目覚め

 

  •  パンパンのおむつを変えないといけない
  •  子ども達にご飯とミルクをあげないといけない
  •  その後一眠りしようとしても娘が室内の破壊活動を始める

 

などなど、

やらなければならない、という作業が多くなるワケで

 

今日疲れてるからダラダラしよっと・・・

昼まで寝るかぁ・・・

今日動きたくない・・・

 

なんて事が一切出来ないんですよ。

 

だから

日を重ねていく毎に疲れが溜まっていきやすく、

結果的に旅の後半では夫婦仲が悪くなったりしやすかったり。

(お子さんがいるご家庭の方は共感して貰えるはず!)

 

で。

 

話を進めていくとこのご家族、

後2週間程ケープタウンに滞在するらしいじゃないですか!

 

だったら

 

 

「交代でお互い子供を預け合おうぜ!」

 

 

なんて話になり。

 

通常はベビーシッターを連れてきたりするのですが

あいにくのコロナ渦で国外へ連れ出す手続きが大変。

(ことら家はやった事ないけど)

 

もちろん現地でベビーシッターをスポットで雇えますが

ホテルの中に長時間閉じ込めておくのは子供が可愛そうだし、

外に出すなら何処に何時までとか知らない土地で一々指示するのも面倒。

(相手も責任を負いたくないので指示通りにしか動かない)

 

一番助かるのは

ドコまで荒々しく・適当に扱ってもいいものか、

という自分達のラインを既に知ってる人に預ける事。

 

勝手に判断して動いてくれるので非常に助かり

自分達の自由な時間も得られる、

それは相手も同じなのでお互いWinWinになるというワケですな。

 

これから数日間は

朝~昼まではことら家、昼から夕方までをご夫妻に担当してもらい。

 

僕たちの方では

水族館、テーブルマウンテン、公園などを連れ回しておりました。

(正直2人より4人の方が子供同士で遊ぶから楽)

 

 悠長な事をやってる場合じゃあねぇ!

 

僕たちが子供を預けていた時には何をしていたか。

 

  •  優雅な食事
  •  ブランド品買い漁り
  •  観光名所をVIP待遇で観光

 

などなど、

子供抜きで羽を広げて・・・っていやいやいや、

そんな悠長な事やってる場合じゃないんですよっ!

 

我々の旅(拉致)はまだ始まったばかり、

ここから1ヶ月以上あると仮定するならばやるべき事は一つ。

 

 

「絶対安静」

 

 

前回、大型滑り台で負傷した指はデカデカと黒々としてるし、

嫁も同様に肩・膝・頭を負傷して痛々しい。

 

ここで疲労・負傷を抱えたまま無理しても

ここからの厳しい戦いには耐えられそうにない。

 

そこは全てを破壊する者こと嫁も理解しているようで

南アフリカの地にいるのにも関わらずデリバリーを活用する自体にまでなりましたが、

とにかく食べてグッスリ寝る事に。

(ドバイより全然オイシイのですが)

 

いやはやなんたる時間のロスって話ですが

これも一つの旅の醍醐味・アクシデント。

 

しかし、

これは本当に1ヶ月以上戦い抜けるのだろうか・・・。

 

次回へ続く。

 

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