ここ1、2年は暗号通貨関連ばかり行っていたので
ぶっちゃけFX系の専門的な知識をほとんど忘れかけていたのですが
ちょっとしたキッカケで再度FXの方に戻っています。
いやーちょっとでも業界から離れると
忘れてる事が多すぎて自分自身ビックリ!
少し前にFX業者の方と話す機会があったのですが
専門用語のオンパレード、
タイ語で話されてる感覚を受けて
さすがにこのままじゃヤバイなと(苦笑)
ってな訳で初心に戻って
最近の業者事情も兼ねて専門家や業者関連の人に聞いて回ってます。
あーそんなのあったなー!
とか
こんなの最近出来たんだ!すげーっ!
ってな感じで結構楽しかったり\(^o^)/
FX業者の仕組み
さてさて。
めちゃくちゃ久しぶりにはなりますが
金融ネタを提供しようかなと。
といっても専門用語はなるべく使わないようにするのでご安心を。
本日の話はこんな方は結構参考になるかと思います!
- FX業者の仕組みを知りたい方
- FX業者を作りたい・運営されている方
- FX業者に口座凍結される事が多い大口トレーダー
- 最速レートを取得したい裏技トレーダー
といってもざっくりな話にはなりますが
今後ちょっとずつ詳しい話でも提供していければなと。
では、まずはこの全体図をみてください。
(僕がよなよな作ったパワポです笑)
(クリックで画像を拡大できます)
実は皆さんが使っているFX業者は
これだけの関連業者・別々の会社が提供しているシステムを通って
レートの取得やエントリー・決済など行っている訳です。
(LPやシステムベンダーがない業者も良くあります)
当たり前ですが仲介に入っている業者やシステムがあれば
レート取得速度が遅くなったり
その度に仲介手数料を支払わなければななかったり
負担は利用するユーザーに直接掛かってきます。
で、この仕組みを更に深く知って利用する事によって
ガラッと環境が大きく変わる方も多くいる訳ですな。
本日はここらへんの一般ユーザー側の話ではなく
FX業者側・内部の話について解説していこうかなと。
【1】銀行
(クリックで画像を拡大できます)
図の右から左の順にざっくりと解説していきますね。
全てのレートは銀行から配信されています。
なので銀行からレートを取得するのが
一番手数料も安く、一番速度も早い訳ですが
めちゃくちゃ契約のハードルが高いので
個人レベルでは不可能と考えた方が良いでしょう。
ちなみに銀行はお堅い商売の代表格なので
契約時には過去の経歴や交友関係をまんべんなく調べられて
売上が数百億、数千億あったとしても不審な点があれば落としてきます。
DMM FXも過去に銀行と契約をしようとしてたそうですが
関連事業がアダルト系やってるので即断られたとか(笑)
参考 Barclays、UBS、JPモルガン・HSBC・三菱UFJなど
【2】LP(リクイディティプロバイダー)
(クリックで画像を拡大できます)
LPとはざっくり言えば
複数の銀行と契約しているブローカー。
上記でもお伝えしましたが
銀行と直接契約するのはめちゃくちゃハードルが高い為
信用・資金力のあるLPが変わりに銀行と契約し
FX業者などに手数料を乗せてレートを提供してると思ってください。
「LPはFX業者の為の業者さん」
みたいなもの。
つまりは実質LPで直接取引する事が出来れば
取引手数料は一番安くなりレート取得速度も最速となります。
(LPも沢山あるのでどれを選ぶかで大きく変わります)
「だったら直接LPに個人で口座開設して取引しちゃえばええんやないの?」
と思ってる方もいるかとは思いますが
LPの口座開設は簡単じゃないんですよ・・・。
例えば
- アメリカ・日本居住者は口座開設できない所がほとんど
- 表に載っていないメニュー(業者・大口・裏技向けは裏メニューの場合がほとんど)
- 一見さんは基本お断り(コネクション持ちに頼むか、通常取引を積んでようやく提示される)
- 裏メニューは維持手数料が掛かる場合がほとんど(交渉次第。高い所だと月間70万円以上掛かる)
- デポジットが他業者と比べると高い(300〜1000万円以上)
- 全部英語対応
- 条件は交渉次第で大きく変わる
などなど、ざっくり思いついたものでもこのぐらい。
FX業者さんも常に質の良いLPを探していたりするのですが
コネクションが無いため口座開設自体出来ないなんて事も実際に多くあります。
ゴールまで行き着くのが結構大変なのですが
いってしまえば天国なのがLPなのです。
参考 LMAX、FXCM、SwissQuote、SaxoBank、DucasCopy、Global-Primeなど
【3】システムベンダー
(クリックで画像を拡大できます)
システムベンダーは複数の銀行とLPを繋いで
レートをアグリゲート(まとめる)してユーザーに提供したりするシステムです。
(ヘッジファンド・大口トレーダーなども使ってます)
FX業者を利用しているだけであれば
見たことも聞いた事もないシステムだとは思いますが
実はFX業者の核となる部分がココ。
優秀なシステムベンダーを導入するだけで
手間・コスト・利益率が目に見えてガラッと変わるので
業者運営の為の最重要項目だったりするのです。
例えば
システムベンダーによっては繋いでいる複数のLPから
その時々の瞬時に一番最安なLPのレートをユーザーに提供できたり
大口の注文なら複数のLPに注文を同時に分割して流したり
オートディーリングの機能により
流す顧客と呑む顧客をアルゴリズムによって自動で分けたり。
この事により人件費・運営コストなどガクッと減り
ユーザーにも最高の環境を与える事が可能だったりします。
なので優秀なシステムベンダーを取り入れるのもコストは掛かりますが
取り入れた方が結果的に業者・ユーザー共々喜べたりもするのですが
システムベンダーの重要性を理解出来ていない(むしろ知らない)
業者運営者が多い為そこまで重要視されてなかったりもします。
参考 Integral、Onezero、CURRENEX、PrimeXM、Auroraなど
【4】取引プラットフォーム
(クリックで画像を拡大できます)
取引プラットフォームは皆さんご存知
MT4やCtraderなどありますが
日本のFX業者はオリジナルプラットフォームを使ってる事がほとんどですね。
(世界中で見てみるとかなり珍しい事です)
MT4やCtraderなどは
ライセンス費用や月額利用料・従量課金などがあるので
各社オリジナルプラットフォームを開発しているというのもありますが
それ以外にも結構問題があったり。
例えばMT4やCtraderはざっくりとした部分は揃ってるのですが
業者側でシステムをいじったりできません。
つまりは業者側の好きなように出来る構造ではなく
MT4やCtraderを基準に作っていかなくちゃならんのですよ。
(といってもスマホで言うアプリみたいなので補填できますが)
その他には
- 顧客の注文を全部呑むか全部流す機能しかない
- マイナススプレッドが表示されない
- ガードがほぼない為、攻撃的取引の的にされやすい
- 単純に速度が遅い
- 細かな調整が出来ない
などなど。
ユーザー側のシステムは整ってるのですが
業者側に必要なシステムが整ってないので結果的に
「他業者と差別化が出来ない&コスト&手間が掛かる」
という訳なのです。
「だったら自社で取引プラットフォーム作った方がよくね?」
という訳で日本のFX業者は
細かい調整が可能なオリジナルが多いのです。
参考 MT4、MT5、Ctrader、Jforex、オリジナルなど
最後に
凄くざっくりな解説にはなってしまいましたが
詳しく書けば書くほどドン引きされる内容になっちゃうので(特にシステムベンダー)
とりあえずここまでに。
で、なんでこんな話をするかと言うと
1ユーザーには関係ない話にはなってしまうのですが
FX業者運営や大きな玉で叩く大口トレーダー・裏技トレーダーなどは
この部分をしっかりと整える事により
- ディーリングの問題
- リクイディティの問題
- コスト・手間の問題
- 最速レート取得
などなど、この辺りはほぼ解決できます。
ちなみにFX業者を運営している所も
この部分をあんまり知らないって方は結構いたりするんですよ。
まぁ知っていてもこういったより良い環境を作る為には
知恵だけではどうにもならず
コネクションがどうしても必要になる訳ですが。
もしもLP・システムベンダーをお探しの場合は
協力できると思うので気軽に相談してくださいね。
呑み業者について(おまけ)
呑み業者とは
顧客の負けが業者の利益になる事。
カジノ・パチンコ・パチスロ・バイナリーオプションなどなど、
場を提供する業者はほとんど呑んで大きな利益を出しています。
で、FX業者の呑みになりますが
僕は呑みが悪いとは思いません。
むしろ呑みだからこそ攻撃的な注文が通ったりもするので
僕ら裏技トレーダー的には非常に嬉しい訳ですし
一般トレーダーの方も恩恵を受けている訳です。
しかし、何で呑み業者の印象が悪いのか、という話になりますが
結果的に全ユーザーに負担が掛かるんですよ。
例えば
業者は顧客の仕分けをほとんどしない為(出来ない所が多い)
プロ・素人両方呑んじゃいます。
1000人の素人集団で5000万円の負けがあっても
1人のプロでごっそり1億円持っていかれるのが常な訳ですが
この場合FX業者的には差し引き5000万円の損失になります。
この後どうなるかと言うと
業者からの利益を貪ったプロはうむをいわさず強制口座凍結。
(プロが増えれば増える程潰れる可能性が飛躍する為)
負債のしわ寄せは全て他のトレーダーに返ってきて
ストップロスに引っかかりやすくなったり
強制ロスカットになるぐらいのチャートの暴走
エントリーした瞬間にスプレッドがワイドになる
などなど、負債回収の為様々な面でいじってきます。
つまりは業者が傾き始めたら
強制的な回収モードが発動される訳です。
業者はプロを追い出し
素人を集めては焼き、集めては焼きを繰り返し。
こんな事があるから呑み業者は悪評がたったり嫌がられる訳ですな。
・・・しかし!
これも上記で解説した優秀なシステムベンダーを
搭載する業者が増えれば解決する問題なのです。
例えば
「こいつは入金する毎に負けてるから全部呑みやっ!」
「こいつは勝ったり負けたりを繰り返すから呑み6、LPに流す4の比率でいくでっ!」
「このトレードパターンはプロやなっ!全流し決定!」
こんな感じで
呑んで良い人(ド素人)・呑むとヤバイ人(プロ)を
アルゴリズムで自動で分けてくれる機能がついた
システムベンダーも登場している訳です。
つまりはこういった最新のシステムベンダーを搭載したFX業者が増えれば
勝ち続けているプロも受け入れる事ができ
負け続けている素人にも良い取引環境を提供し
業者と顧客がWin-Winの関係になる
こんな業者が今後増えてくるものと思われます。
そもそも素人の焼き畑農場に力を入れるよりも
プロを生かしながら逆に利益を得る方向に力を入れるべきだったんですよねぇ。
その難しさも分かるっちゃ分かるのですが
この十数年何も手をつけなかったのはいただけませんな。
ようやくこの業界も健全化されるのかもしれませぬ。
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